News Feature

2022年の医学の進む方向を決めるかもしれない11の臨床試験

Nature Medicine 27, 12 doi: 10.1038/s41591-021-01601-5

2022年に行われる臨床試験の中で、最も期待されているものはどれだろう。CRISPRをベースとする遺伝子治療、キノコの幻覚成分を含んでいてメンタルヘルス治療に効果があるとされるシロシビン、腫瘍溶解性ウイルスの開発等々、多数の候補について第一線の研究者たちにNature Medicineが尋ねてみた。現在最も喫緊と思われる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬については、2021年度に評価が行われた9件のうち、6件が有効性に欠けるということで中止となっている。注目されているTOGETHER臨床試験は、既存の選択的セロトニン再取り込み阻害剤であるフルボキサミンが対象で、COVID-19での入院を防止する効果が試験される。広く入手可能で安全性プロファイルも理解されており安価なフルボキサミンと吸入ステロイド薬、あるいは抗ウイルス薬のモルヌピラビルなどとの併用も、来年の重要な課題となると考えている研究者も多い。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度