Perspective

COVID-19:COVID-19ワクチン第3相臨床試験の先を考える

Nature Medicine 27, 2 doi: 10.1038/s41591-021-01230-y

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンが臨床試験では重篤な症状の予防に有効であったことが複数の製薬会社によって公表されたのに続いて、現在必要とされているのは、世界中の人々が確実にワクチン接種を受けるという次の段階のための包括的戦略である。検討すべき事項には、高品質のワクチンを数十億回の投与に十分なだけ製造する方法、ワクチン購入の支援、供給の調整、ワクチンの公平な分配、そして世界規模のワクチン配送のための物流管理などが含まれると考えられるが、これらは全ての年齢層を対象とする遠大なワクチン接種作戦の準備に過ぎない。これらに加えて、ワクチンについて、その有効性を改善するために解決しなくてはならない、科学的な問題もまだ残っている。それらには、ワクチン接種方式の最適化や、ブースター用量、感染防御能と相関する免疫学的指標(防御相関因子)、ワクチンの効果、安全性、関連する調査の強化などが含まれる。ワクチン有効性確認後のこのような作業をうまく調整して適時行っていければ、今回のパンデミック(世界的大流行)を効果的にかつ効率よく収束へと向かわせることが可能となるだろう。

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