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メタボロミクス:非伝染性疾患の多疾患罹患が起こる経路をプロファイリングするための血漿中代謝物

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01266-0

多疾患罹患(複数の慢性疾患を同時に発症している状態)は、世界的に増加中の健康問題であり、その決定因子の研究の優先度は高い。本研究では、ヒトの生理学的特性の包括的な読み出しとして、1000を超える代謝物を網羅した、ベースラインの非標的血漿メタボロミクスプロファイリングを使い、1万1000人以上の参加者(21万9415人年)の電子医療記録の入院記録とがん登録データを用いて評価された27の起こりやすい非伝染性疾患(NCD)に関連する経路の特性解析を行った。少なくとも2つのNCD間で共通した420の代謝物が見つかり、これは代謝物と疾患の有意な関連性(全部で640)の65.5%に相当していた。我々は、50以上の多様な臨床リスク因子と生理学的特性のベースラインデータを統合し、これらの代謝物によって表される共通した治療対象候補経路を特定した。また、我々の研究によって、肝臓と腎臓の機能、脂質とグルコースの代謝、軽度の炎症、腸の微生物多様性の代替マーカー、特定の健康関連行動が、ありふれたNCDの多疾患罹患の先行現象となっており、早期予防に利用できる可能性が明らかになった。本研究の結果は、オープンアクセスのウェブサーバー(https://omicscience.org/apps/mwasdisease/)にまとめられており、今後の研究やメタ解析に役立つと思われる。

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