Review Article

COVID-19:新型コロナウイルス感染症急性期後症候群

Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01283-z

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を引き起こした病原体であり、このパンデミックによって、世界的な医療危機と健康資源の逼迫が生じた。COVID-19から回復中の患者集団が拡大するにつれて、回復期の人々を取り巻く医療問題を理解することは重要な問題となっている。現在、COVID-19は多様な症状を伴う多臓器疾患と認定されている。他の病原性コロナウイルス流行の際の生存者で報告されている急性症候群と同じく、COVID-19でも急性期後に持続する長期的な影響の報告が増えつつある。COVID-19患者支援団体のメンバーの多くは、自身が症状の長期化しているlong-haulerであることを認めていて、COVID-19急性期後症候群が認知されるのに役立ってきた。この急性期後症候群は、長期間続く症状と発症後4週間を超える遅発性あるいは長期にわたる合併症を特徴とする。本稿では、新型コロナウイルス感染症急性期後症候群とその病態生理学的性質、それに臓器特異的後遺症に関する現在の論文を包括的に概観する。さらに、COVID-19回復者についての多領域にわたるケアに関連する考察について論じ、また、急性期後症候群のリスクが高い患者を見つけ出し、COVID-19専門のクリニックによって組織的に管理するための枠組みを提案する。 

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