Brief Communication
分子標的治療:アンチセンスオリゴヌクレオチドであるセポファルセン単回投与後の持続的な視力改善:症例報告
Nature Medicine 27, 5 doi: 10.1038/s41591-021-01297-7
CEP290変異型繊毛病が原因のレーバー先天性黒内障では、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)のセポファルセン(sepofarsen)による治療が試されている。大規模コホート(ClinicalTrials.gov NCT03140969)の参加者である患者の1人で、セポファルセンの硝子体内単回注射後、15か月間にわたってその効果が調べられた。視覚機能と網膜構造の測定値は共に、注射のほぼ3か月後に有効性の実質的ピークに達した。15か月の時点で、応答のピークからの低下を示す証拠が見られたが、有効性は持続していた。有効性の動態は、ヒト中心窩錐体光受容体で起こるAONによる新たなCEP290タンパク質合成と、CEP290タンパク質のゆっくりした自然分解の速度とのバランスで説明できる。