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COVID-19:感染性のSARS-CoV-2 B.1.1.7およびB.1.351変異株の中和抗体に対する感受性

Nature Medicine 27, 5 doi: 10.1038/s41591-021-01318-5

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のB.1.1.7変異株は英国で、B.1.351変異株は南アフリカで最初に報告され、それ以後多くの国々へと広がった。これらの変異株はスパイクタンパク質をコードする遺伝子に多様な変異を含んでおり、免疫回避の能力が深刻に懸念されている。我々は、急性感染者から感染性のB.1.1.7およびB.1.351株を単離した。次いで、以前流行していた株への感染者もしくは最近ワクチン接種を受けた人々の血清や鼻腔スワブに存在するSARS-CoV-2抗体に対するこれら2つの変異株の感受性を調べ、D614G参照ウイルスの場合と比較した。我々は、感染の翌日にGFP陽性となるレポーター細胞を用いる、迅速に結果が得られる新しい中和アッセイ法を使用した。発症から最長で9か月後までに集められた回復期患者58人に由来する血清は、B.1.1.7およびD614Gを同じように中和した。これとは対照的に、9か月目以降の回復期血清では中和抗体価が平均で6倍低下し、また、試料の40%は、B.1.351に対する活性を失っていた。ファイザー社のワクチン、コミナティを2回接種した19人の既接種者由来の血清は、ワクチン接種後6週まで経時的に調べられ、D614Gと比較した場合、B.1.1.7に対しては同じく強力な効果があったが、B.1.351に対しては有効性が低かった。中和抗体価は2回目のワクチン接種後に上昇したが、B.1.351に対しては14倍低いままであった。これに対して、回復期患者とワクチン既接種者の血清は、フローサイトメトリーによる血清学的検査では3つのスパイクタンパク質に同じように結合した。ワクチン既接種者の鼻スワブで中和抗体が検出されることはほとんどなかった。このように、より急速に拡散中のSARS-CoV-2変異株は自然感染やワクチン接種によって生じた中和抗体に対する部分的な抵抗性を獲得していて、これは抗体レベルが低い個体で最も頻繁に認められた。我々の結果は、B.1.351は免疫された個人集団での感染のリスクを高めるが、B.1.1.7は高めない可能性を示している。

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