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脆弱X症候群:脆弱X症候群の成人患者でのホスホジエステラーゼ4Dの阻害:無作為化プラセボ対照第2相臨床試験

Nature Medicine 27, 5 doi: 10.1038/s41591-021-01321-w

本研究の目的は、脆弱X症候群(FXS)患者の認知機能や行動転帰を、ホスホジエステラーゼ4D(PDE4D)のアロステリック阻害剤(BPN14770)が改善するかどうかを明らかにすることであった。この第2相臨床試験は、30人の成人男性FXS患者(18~41歳)を対象とした24週間の無作為化プラセボ対照双方向クロスオーバー試験である。参加者は、BPN14770 25 mgまたはプラセボの経口投与を1日2回受けた。主要評価項目は、安全性と耐容性として事前指定され、副次評価項目は認知能力、介護者評価尺度、医師評価尺度とした(ClinicalTrials.gov identifier:NCT03569631)。BPN14770の耐容性は高く、実薬治療群とプラセボ投与群の間に有意の違いがなかったため、本研究は主要評価基準を満たした。また、認知機能や日常生活機能の重要な副次評価基準も満たした。認知的な効果は、NIHTB-CB(National Institutes of Health Toolbox Cognition Battery)の音読認知評価(最小二乗平均差+2.81、P = 0.0157)、絵画語彙(+5.81、P = 0.0342)および結晶性知能総合スコア(+5.31、P = 0.0018)の評価を用いて示された。介護者の視覚的アナログ評価尺度によって評価された効果は、言語機能(+14.04、P = 0.0051)や日常生活機能(+14.53、P = 0.0017)に対して臨床的意味があると判断された。FXS成人男性の認知能力のコンピューターを使った直接的な評価を用いたこの研究の結果は、言語関連領域での有意な認知機能改善に加えて、介護者評価尺度での言語と日常生活機能の評価での改善を示している。

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