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光遺伝学治療:失明患者での光遺伝学療法後の視覚機能の部分的回復

Nature Medicine 27, 7 doi: 10.1038/s41591-021-01351-4

光遺伝学は、神経疾患での変異に依存しない回路特異的な神経機能回復を可能にするかもしれない。網膜色素変性症は目の神経変性疾患であり、光受容体の喪失により完全失明につながることがある。1人の失明患者で、ChrimsonRをコードしたアデノ随伴ウイルスベクターの眼球内注射と、改変したゴーグルによる光刺激を組み合わせた治療を行った。このゴーグルは光強度の局所的変化を検出し、それに相関する光パルスを網膜にリアルタイムで投射して、光遺伝学的導入の行われた網膜神経節細胞を活性化する。患者はこのゴーグルを装着した状態で、ベクター治療を受けた方の目だけで、さまざまな対象物を認識し、位置を把握し、数を数え、触ることができた。視覚的認知の間に、視覚野上で対象物に関連した活性が、マルチチャネル脳波記録によって明らかになった。この患者は、注射以前にはゴーグルの有無にかかわらず、どのような対象物も視覚的に検出できず、また注射後もゴーグルがなくては検出できなかった。これは、神経変性疾患での光遺伝学治療後の部分的な機能回復の最初の報告例である。

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