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アルツハイマー病:優性遺伝性アルツハイマー病でのガンテネルマブとソラネズマブの治験
Nature Medicine 27, 7 doi: 10.1038/s41591-021-01369-8
優性(顕性)遺伝アルツハイマー病(DIAD)では、臨床症状を発症する数十年前に予測可能な生物学的変化が起こるため、疾患の進行を妨げたり、緩やかにしたりするための介入を、無症候性段階と症候性段階で試みることができる。我々は、症状がDIADの無症候性段階と症候性段階にわたる参加者で、ガンテネルマブまたはソラネズマブの無作為化プラセボ対照多群臨床試験を行った。変異保有者は、実薬とプラセボのどちらかに3:1の比率で割り当てられ、4~7年間の治療を受けた。主要評価項目は認知機能とし、副次評価項目は臨床、認知、画像、体液バイオマーカーの各測定値とした。変異を保有する参加者は、52人がガンテネルマブ、52人がソラネズマブ、40人がプラセボを投与されるように割り当てられた。どちらの薬剤もAβ標的に結合したが、対照群と比較した場合、いずれの薬も認知機能測定値に有益な効果を示さなかった。ソラネズマブ投与群では、いくつかの測定値で認知機能低下がより大きく、下流のバイオマーカーに対する効果も見られなかった。ガンテネルマブはアミロイド斑、脳脊髄液中の総タウ、リン酸化タウを有意に減少させ、ニューロフィラメント軽鎖の増加を抑制した。アミロイド関連画像異常浮腫は、ガンテネルマブ群の19.2%(11人中3人が軽度の症状を示した)、プラセボ群の2.5%、ソラネズマブ群の0%で観察された。ガンテネルマブとソラネズマブは、症候性DIADで認知機能低下進行を遅くすることはなかった。無症候性群では認知機能低下が見られず、症候性の参加者では、認知機能は目標とする用量に達する前に低下した。