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COVID-19:COVID-19後のブラジルでの平均余命の短縮
Nature Medicine 27, 9 doi: 10.1038/s41591-021-01437-z
ブラジルは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって甚大な影響を被った。本研究では、2020年および2021年1~4月に報告された総死亡者数についてのデータを使って、ブラジル全州にわたる死亡者数を計数して比較した。我々は、2020年の出生時平均余命(e0)が1.3年短縮すると推定した。これは2014年以来見られたことのないレベルの死亡率である。2020年の65歳時の平均余命(e65)に見られる短縮は0.9年で、ブラジルを2012年のレベルへ引き戻した。この短縮は男性でより大きく、e0の男女間の差は9.1%広がった。州については、アマゾナス州が2000年からのe0の改善された分の60.4%を失った。2021年の最初の4か月でのCOVID-19による死亡者数は2020年全体の死亡者数の107%であった。死亡率が、COVID-19が存在しなかった2019年の全死因死亡率と同じであると仮定すると、2021年のCOVID-19による死者はすでに2021年のe0を1.8年短縮させており、これは同じような仮定の下で2020年に対して推定される短縮分よりもやや大きい。