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健康効果評価:未加工赤肉の摂取と関連付けられた健康への影響 ─ 証明責任研究
Nature Medicine 28, 10 doi: 10.1038/s41591-022-01968-z
赤肉の摂取のようなリスク要因への曝露が健康に及ぼすと思われる影響の特徴を明らかにすることは、健康政策や健康習慣に情報を提供するために不可欠である。赤肉摂取の影響を評価した以前のメタ解析では一貫した知見が得られておらず、証拠の強度が形式通りに評価されていない。我々は、系統的な再検討を行い、従来の対数-線形性の仮定を緩和し、複数の研究の不均一性を組み込むメタ回帰分析を行うことで、未加工の赤肉摂取と、それから予想される6つの健康転帰との間の関係を評価した。そして未加工赤肉摂取と大腸がん、乳がん、2型糖尿病、虚血性心疾患の間の関連を示す弱い証拠が見つかった。一方、未加工赤肉と虚血性脳卒中もしくは出血性脳卒中の間の関連を示す証拠は見つからなかった。我々の解析で想定された6つの転帰を合わせたリスクは、1日当たり0 gの未加工赤肉の摂取で最小になったが、研究間の不均一性を取り込んだ95%不確実性区間は非常に広く、0~200 gd−1であった。未加工赤肉を食べることが疾患発生や死亡リスクの上昇と関連するという証拠はいくつかあるが、より強力、あるいはより決定的な勧告を行うには弱く、また不十分である。未加工赤肉の摂取と慢性疾患との関係について理解を進め、定量化するには、もっと厳密で強力な研究が必要である。