肥満:過体重あるいは肥満の成人での2年間にわたるセマグルチド投与の効果 ─ STEP 5試験
Nature Medicine 28, 10 doi: 10.1038/s41591-022-02026-4
STEP 5試験では、肥満の成人、もしくは少なくとも1つの体重関連併存疾患がある過体重の成人(いずれも糖尿病ではない)を対象として、セマグルチド2.4 mgもしくはプラセボの週1回皮下投与による長期治療(両群とも行動介入あり)の有効性と安全性を評価した。共主要評価項目は、体重の変化率と104週目での≧5%の体重減少の達成であった。無作為に割り付けられた全ての参加者で、治療中止あるいはレスキュー介入に関係なく、有効性が評価された。2018年10月5日から2019年2月1日までの期間、304人の参加者がセマグルチド2.4 mg群(n = 152)あるいはプラセボ群(n = 152)に無作為に割り付けられ、その92.8%が試験を完了した(試験終了時の安全性面談に出席)。参加者のほとんどは女性で〔236人(77.6%)〕で白人〔283人(93.1%)〕であり、平均年齢は47.3(s.d. 11.0)歳、ボディーマス指数は38.5(s.d. 6.9)kg m−2、体重は106.0(s.d. 22.0)kgであった。体重のベースラインから104週目までの平均変化 は、セマグルチド群(n = 152)で−15.2%であるのに対し、プラセボ群(n = 152)では−2.6%であり、推定治療差は−12.6%ポイント(95%信頼区間、−15.3, −9.8、P < 0.0001)であった。104週目の時点でベースラインからの体重減少が ≧ 5%だった参加者の数は、プラセボ群よりもセマグルチド群の方に多かった(セマグルチド群77.1%に対してプラセボ群34.4%、P < 0.0001)。胃腸の有害事象はほとんどが軽度から中等度で、プラセボ群よりもセマグルチド群でより多く報告された(セマグルチド群82.2%に対してプラセボ群53.9%)。まとめると、過体重(少なくとも1つの体重関連併存疾患がある)あるいは肥満の成人では、セマグルチド投与は、プラセボ投与と比べると、104週にわたってかなり大きくかつ持続的な体重減少につながったことが分かった。 NCT03693430