Article

糖尿病:耐糖能異常を見つけ出すためのプロテオームシグネチャー

Nature Medicine 28, 11 doi: 10.1038/s41591-022-02055-z

2型糖尿病(T2D)の集団検診と診断に対する推奨事項を実施する際には、糖化ヘモグロビン(HbA1c)と空腹時血糖の測定に重点が置かれる。この手法では、単独耐糖能異常(iIGT)の多くは検出できない。iIGTには糖尿病とその重度の合併症のリスクがあり、経口糖負荷検査(OGTT)でのみ検出可能である。我々は、Fenland Studyの参加者1万1546人からの単回絶食時試料のプロテオームプロファイルに機械学習を適用し、ゴールドスタンダードであるOGTTを用いて定めたiIGTの識別について検証を行った。最良の臨床モデルに3つのタンパク質(RTN4R、CBPMおよびGHR)を加えるだけで識別能が有意に改善されることが観察され(AUROC = 0.80〔95%信頼区間:0.79–0.86〕、P = 0.004)、これは外部コホートで検証された。これらの候補タンパク質の血漿レベルの上昇は、独立したコホートでの将来のT2Dリスク上昇と関連付けられ、また、グルコース恒常性障害やT2Dに遺伝的感受性を示す場合にも同じく上昇が見られた。限られた数のタンパク質を評価することにより、T2Dやその合併症のリスクが高いが現在の診断戦略では見逃されやすい被験者の識別が可能になるのである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度