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タウオパチー:脳脊髄液中に存在するタウの微小管結合領域はプライマリータウオパチーでの病理学的変化を明らかにする

Nature Medicine 28, 12 doi: 10.1038/s41591-022-02075-9

アルツハイマー病(AD)の診断に用いる液体バイオマーカーの研究には近年進展が見られるが、他のタウオパチーの診断に使える液体バイオマーカーもしくは画像トレーサーはまだ得られていない。本論文では、脳脊髄液(CSF)中の4リピート型タウアイソフォーム特異的な微小管結合領域(microtubule-binding region:MTBR)を含む特定のタウ種(MTBR-tau275およびMTBR-tau282)を免疫沈降法により精製し、質量分析法を用いて定量を行った。これらのMTBR-tau種は、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、前頭側頭葉変性症(FTLD)-MAPTおよびADの脳では、対照群および他のFTLD-tau(例えばピック病の脳)に比べて増加しているが、CBD、FTLD-MAPT、ADの脳脊髄液中では、逆に減少していることを示す。これらのCSF MTBR-tauの測定値は、同一被験者での複数回の腰椎穿刺で再現性が見られ、これを用いてCBDを対照から識別でき(受信者操作特性曲線下面積(AUC)= 0.889)、またPSPなどの他のFTLD-tauとも識別できた(AUC = 0.886)。CSF MTBR-tau275およびMTBR-tau282は、プライマリータウオパチーを肯定的に識別する初のバイオマーカーであり、臨床治験の設計に役立つ可能性がある。

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