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冠動脈疾患:メタボロームおよびマイクロバイオームのプロファイリングは冠動脈疾患の個別化されたリスク因子を明らかにする

Nature Medicine 28, 2 doi: 10.1038/s41591-022-01686-6

冠動脈疾患(CAD)のような複雑疾患は多因子性であることが多く、基盤にある複数の発症機構によって引き起こされる。本論文では、CADの多因子性を調べるために、血清メタボロミクスと腸マイクロバイオームのデータを含む包括的な臨床およびマルチオミクスのプロファイリングを、イスラエルの主要な2つの病院から集めた急性冠症候群(ACS)の患者199人に対して行い、得られた結果を地勢的に異なるコホートで検証した。ACS患者は、対照者と比較すると、血清メタボロームや腸の微生物のシグネチャーが異なっていて、クロストリジウム科(Clostridiaceae)のこれまで知られていなかった細菌種が非常に少なかった。この細菌種は、対照者では複数の循環血中代謝物のレベルと関連があり、これらの代謝物のいくつかは、これまでにCADのリスク上昇に結び付けられていた。ACS患者の代謝の偏向は、考えられる遺伝的あるいは環境的な起源については患者特異的であり、臨床パラメーターや心血管転帰と相関していることが分かった。さらに、ACS患者でのマイクロバイオームや食事に結び付けられる代謝異常は、代謝障害のある対照者でも、程度はより低いが観察されたことから、これらの異常は臨床的に明らかなCADに先だって見られる早期の代謝異常段階に関与していると考えられた。また、非ACSコホートで訓練されたメタボロミクスベースのボディーマス指数(BMI)モデルは、ACS患者では実際よりも高いBMIを予測し、この高過ぎるBMI予測は、障害のある冠動脈の数と関連していて、糖尿病(DM)とCADの両方の重症度と独立に相関していた。これらの結果は、CADでのリスク因子の不均一性の理由を理解するために血清メタボロームが有用であることを明らかにしている。

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