Brief Communication

COVID-19:CoronaVacあるいはBNT162b2と同種ワクチンの接種後、および異種ワクチンの接種後のSARS-CoV-2オミクロン変異株に対する中和抗体

Nature Medicine 28, 3 doi: 10.1038/s41591-022-01704-7

オミクロン変異株は速やかに、世界中で広まっている重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)ウイルスの主力となった。オミクロン株感染に対する防御力が低下する可能性を知るには、回復期の患者やワクチン既接種者の血清のウイルス中和活性の低下を明らかにすることが重要である。我々は以前に、我々の生ウイルスアッセイでの50%プラーク減少中和抗体価(PRNT50)≥ 25.6が、野生型(WT)SARS-CoV-2に対する感染を50%予防する閾値に相当することを明らかにした。本論文では、オミクロン変異株に対する血清抗体価[幾何平均抗体価(GMT)< 10]は、WTウイルスでのBNT162b2ワクチン2回接種の3~5週後(GMT 218.8)、もしくはCoronaVacワクチン2回接種の3~5週後(GMT 32.5)と比べると著しく低いことを示す。BNT162b2のブースター接種1回後には、以前にBNT162b2ワクチン2回既接種者の88%(25人中22人)、およびCoronaVacワクチン既接種者の80%(30人中24人)で、オミクロン変異株に対してPRNT50 ≥ 25.6が誘導された。しかし、既感染者(30人中1人)、もしくはCoronaVacの3回既接種者(30人中1人)でこの閾値に達したのは少数(3%)だった。我々の結果は、CoronaVacワクチンを主に使用している国は、オミクロン変異株の拡大に対してmRNAワクチンブースターを考慮すべきであることを示唆している。多様なワクチンのオミクロン変異株に対する有効性を評価する研究は緊急に必要である。

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