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COVID-19:感染もしくはワクチン接種のどちらかによるSARS-CoV-2スパイクタンパク質への3回の曝露は、「懸念される変異株」の全てに対して優れた中和免疫を誘導する
Nature Medicine 28, 3 doi: 10.1038/s41591-022-01715-4
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染もしくは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種後の感染中和抗体応答は、抗ウイルス免疫の重要な要素である。しかし、抗体を介する防御は、急速に世界中に広がりつつあるオミクロン変異株(B.1.1.529)のような、免疫を回避できる性質を持つ「懸念されるSARS-CoV-2変異株(VoC)」の出現によって難問となりつつある。本論文では、回復期にあるCOVID-19感染者およびmRNA BNT162b2ワクチンを接種した未感染者の長期的コホートにおける中和抗体の動態を、抗SARS-CoV-2スパイクタンパク質抗体の定量と、血清中でのそれらのアビディティーと中和能の測定によって調べた。感染回復期患者の2回のワクチン接種後、もしくは2回のワクチン接種を受けた未感染者での3回目ワクチン接種後あるいはブレークスルー感染後には、オミクロン変異株を含む全てのVoCに対して優れた感染中和能が生じることが、生ウイルス中和アッセイを用いて明らかになった。このような3回連続でのスパイク抗原曝露は、抗スパイク抗体ユニット当たりの中和能の上昇をもたらす結果となって、抗体のアビディティーがこれと平行して徐々に増加した。我々は、感染やワクチン接種で誘導されるハイブリッド免疫、もしくは3回の免疫経験がオミクロン変異株を含むVoCに対する優れた中和能を持つ高品質の抗体を誘導することがあると結論している。