COVID-19：ChAdOx1もしくはBNT162b2ワクチン2回接種後の一般集団で見られた抗体応答および防御相関因子

抗体応答は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）ワクチン接種後の免疫の重要な部分である。しかし、抗体がたどる変化の軌跡や2回目のワクチン接種に関連する防御期間は分かっていない。本研究では、英国の一般集団で、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）に対するChAdOx1あるいはBNT162b2ワクチンの2回目の接種後の抗スパイクIgG抗体応答および防御の相関因子を調べた。222,493人の参加者は、これら2種類のワクチンの2回目の接種によって、投与間隔はさまざまであっても（BNT162b2では3週間間隔）全ての年齢で、抗スパイクIgGが大幅に増加することが分かった。2回目のワクチン接種後の抗スパイクIgGのピークレベルは、BNT162b2の方がChAdOX1よりも高かった。高齢者や男性では、BNT162b2によるピークレベルが低かったが、ChAdOx1ではこうした低下は見られなかった。一方、ピークからの減少には、ChAdOX1でもBNT162b2でも年齢や性別による違いはなかった。感染歴があると、どちらのワクチンでも抗体のピークレベルの有意な上昇と半減期の有意な延長が見られた。抗スパイクIgGレベルは、ワクチン接種後の感染からの防御と関連し、また、以前に感染している場合は防御レベルはさらに高かった。感染に対する少なくとも67％の防御効果が、感染歴のない場合にはChAdOx1の2回接種後2〜3か月間、BNT162b2の2回接種後5〜8か月間、また、自然感染後ワクチン未接種の場合には1〜2年間続くと推定された。3回目のブースター接種が必要となった場合は、ChAdOx1接種完了者および臨床的な脆弱者を優先すべきだろう。