COVID-19:SARS-CoV-2のオミクロンおよびデルタ変異株に対するmRNA-1273の有効性
Nature Medicine 28, 5 doi: 10.1038/s41591-022-01753-y
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン(B.1.1.529)変異株は伝染性が高く、免疫を回避する可能性がある。我々は検査陰性症例対照研究を行って、オミクロン株もしくはデルタ株に関連する感染と入院に対するmRNA-1273ワクチンの有効性(VE)を評価した。使われた大規模で多様な研究集団は、SGTF(S gene target failure status)によって決定された変異株によってSARS-CoV-2検査陽性となった26,683症例(デルタ株16%、オミクロン株84%)を含んでいる。オミクロン株感染に対する2回接種後14〜90日でのVEは44.0%(95%信頼区間、35.1–51.6%)だったが、急速に低下した。3回接種後のVEは、接種後14〜60日および>60日で、デルタ株感染に対しては93.7%(92.2–94.9%)と86.0%(78.1–91.1%)、オミクロン株感染に対しては71.6%(69.7–73.4%)と47.4%(40.5–53.5%)であった。3回接種のVEは、免疫が低下している人でのオミクロン感染に対して29.4%(0.3–50.0%)であった。デルタ株あるいはオミクロン株感染による入院者に対する3回接種のVEは研究集団全体で>99%であった。我々の得た知見によって、3回接種のデルタ感染に対するVEは高くて持続性があるが、オミクロン株感染に対しては有効性がより低いことが示され、特に免疫が低下している人々で低下が著しかった。しかし、mRNA-1273の3回接種後のVEはデルタ株とオミクロン株感染後入院者に対しては高かった。