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糖尿病:2型糖尿病で見られる表現型、疾患進行と薬剤応答の不均一性
Nature Medicine 28, 5 doi: 10.1038/s41591-022-01790-7
2型糖尿病(T2D)は表現型のかなりの不均一性を特徴とする複雑な慢性疾患である。本研究では、新たに糖尿病と診断されたスコットランド人患者23,137人から定期的に採取したデータで逆グラフ埋め込み法を使ってこの不均一性を可視化し、分割した糖尿病多遺伝子リスクスコアを使用して不均一性の基盤である生物学的過程に関する手掛かりを得た。インスリンの必要性、慢性腎臓病、糖尿病に関連する網膜症、主要心血管有害事象の転帰への進行リスクを重ね合わせることで、これらのリスクが患者の表現型によってどのように異なるかを示す。例えば、網膜症リスクがある患者は、心血管事象リスクがある患者とは表現型が異なっている。我々は今回の知見を英国バイオバンクとADOPTによる臨床試験で再現し、糖尿病薬単剤療法への応答パターンが多様な薬によって異なることも示した。全体として、我々の分析は、ヨーロッパ人集団の1つで、基盤にある表現型の違いがT2Dの発症を促し、その後の糖尿病の転帰と薬剤応答に影響する仕組みを明確にしたもので、T2D管理のための個別化治療にこれらの要因を組み込む必要性を実証している。