糖尿病:薬剤治療歴のない2型糖尿病患者でのドルザグリアチン ─ 無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験
Nature Medicine 28, 5 doi: 10.1038/s41591-022-01802-6
クルコース感受性の改善は、2型糖尿病(T2D)の治療で、必要だがまだ解決されていない問題として残っている。ドルザグリアチンは、経口投与ができて生物学的に利用可能な二重作用型のグルコキナーゼ活性化剤であって、グルコース依存的にグルコキナーゼ活性を増強して、グルコース刺激性のインスリン分泌を改善し、血糖コントロールに対する効果があることがT2D患者で実証されている。今回我々は、T2D患者でのドルザグリアチンの有効性と安全性を評価するための無作為化二重盲検プラセボ対照第3臨床試験で得られた知見を報告する。薬剤治療歴がなく、試験に適格なT2D患者(n = 463)は、24週間の二重盲検治療に際してドルザグリアチン群とプラセボ群に2:1の比で無作為に割り当てられ、その後、全患者で28週間のドルザグリアチンの非盲検治療が行われた。有効性の主要評価項目は、糖化ヘモグロビンのベースラインから24週目までの変化とした。安全性は試験の全期間で評価された。24週目の時点で、糖化ヘモグロビンのベースラインからの変化の最小二乗平均値(95%信頼区間)は、ドルザグリアチン群では−1.07%(−1.19%, −0.95%)、プラセボ群では−0.50%(−0.68%, −0.32%)だった(推定治療差は−0.57%、95%信頼区間:−0.79%, −0.36%、P < 0.001)。有害事象発生率は2群間で同程度だった。ドルザグリアチン群で重症低血糖、もしくは薬剤に関連した重篤な有害事象は起こらなかった。まとめると、ドルザグリアチンは薬剤治療歴のないT2D患者で血糖コントロールを改善し、耐容性と安全性のプロファイルは良好だった。