2型糖尿病:2型糖尿病患者でのメトホルミンにドルザグリアチンを追加する治療法 ─ 無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験
Nature Medicine 28, 5 doi: 10.1038/s41591-022-01803-5
メトホルミンは2型糖尿病(T2D)の第一選択療法であり、肝臓のグルコース産生を減少させ、空腹時血漿血糖値を低下させる。ドルザグリアチンは、膵臓と肝臓の両方のグルコキナーゼを標的とする二重作用性のグルコキナーゼ活性化剤で経口投与で生物学的に利用可能であり、2型糖尿病患者で食後のグルコースを減少させる。今回の無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験では、メトホルミンのみを使った血糖管理では不十分だったT2D患者で、メトホルミンに追加したドルザグリアチンの有効性と安全性を評価した。試験に適格とされたT2D患者(n=767)は、メトホルミン(1500 mg/日)にドルザグリアチンあるいはプラセボを追加投与する24週間の二重盲検試験に無作為に割り付けられ(1:1の比率)、その後28週間にわたって 全ての患者にメトホルミンにドルザグリアチン追加投与を行う非盲検試験が行われた。有効性の主要評価項目は、24週までの糖化ヘモグロビン(HbA1c)レベルのベースラインからの変化であり、安全性は試験期間を通じて評価された。24週の時点で、HbA1cのベースライン時からの変化の最小二乗平均〔95%信頼区間(CI)〕は、ドルザグリアチン群で−1.02%(−1.11, −0.93)、プラセボ群で-0.36%(−0.45, −0.26)であった(推定治療差、−0.66%、95%CI:−0.79, −0.53、P<0.0001)。有害事象の発生率はグループ間で同様であった。ドルザグリアチンとメトホルミンの併用療法グループでは、重篤な低血糖事象や薬剤関連の重篤な有害事象は見られなかった。ドルザグリアチンの使用は、メトホルミン単剤では血糖管理が不十分であったT2D患者で、耐容性と安全性のプロファイルがともに良好な、効果的な血糖管理につながった。