Article

軟部肉腫:三次リンパ様構造を伴う軟部肉腫でのペムブロリズマブ ─ 第2相PEMBROSARC試験コホート

Nature Medicine 28, 6 doi: 10.1038/s41591-022-01821-3

進行した軟部肉腫(STS)の患者では、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の臨床活性は限定的である。後ろ向き解析から、このような患者では腫瘍内の三次リンパ様構造(TLS)が転帰の改善に関連していることが示唆されている。PEMBROSARCは、進行したSTS患者でのペムブロリズマブと低用量シクロホスファミドの併用に関する複数コホート第2相試験である(NCT02406781)。主要評価項目は6か月間の非増悪率(NPR)であった。副次評価項目には、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性が含まれていた。除外基準を設けず参加希望者全員を登録したコホートでの6か月のNPRおよびORRは以前に報告されている。本論文では、TLSの存在に基づいて選択された患者を登録するコホート(n = 30)での結果を報告する。6か月NPRは40%〔95%信頼区間(CI);22.7〜59.4〕であったため、主要評価項目は満たされた。ORRは30%(95%CI;14.7~49.4)であった。これと比較すると、参加者について除外基準を設けないコホートでの6か月NPRは4.9%(95%CI;0.6~16.5)、ORRは2.4%(95%CI;0.1~12.9)であった。最も高頻度で見られた毒性は、グレード1あるいは2の倦怠感、悪心、甲状腺機能低下症、下痢、貧血であった。探索的解析から、腫瘍内の形質細胞(PC)の存在量が転帰の改善と有意に関連していることが明らかになった。これらの結果は、進行したSTSでのTLSの存在は、ペムブロリズマブ治療を受ける患者の選別を改善する有望な予測バイオマーカーであることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度