News Feature

アフリカでのアウトブレークを防ぐ見張り番

Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/d41591-022-00064-6

2021年12月、WHOはコンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱アウトブレーク(集団発生)の終息を宣言した。今回はワクチン接種と迅速な公衆衛生対応が功を奏し、以前に比べて患者数が減少した。とはいえ、世界が以前よりずっと密に結びついている今、コンゴのジャングルで発生した健康への脅威は、たちまち世界にとっての大きな脅威となり得る。アフリカでは森林伐採が進んで人々は野生動物に接近して暮らすようになり、人獣共通感染症のリスクも高まっている。環境、動物、人間の間の今のような関係が破壊されると、新興感染症のリスクは大きく高まり、それは広範囲に影響を及ぼすだろう。環境、動物、人間の健康を1つのものとして考える取り組みであるワンヘルス・アプローチは、アフリカのアウトブレーク対策に重要な影響を及ぼすと考えられているが、まだごく初期の段階である。現在のアフリカでは、ある国で新興感染症が流行すれば、すぐさま他の国へも広がる可能性が高い。そのため、各国が平時から緊密に協力し合い、備えをすることが重要となるのである。

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