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脂質異常症:高強度スタチンと組み合わせたCETP阻害剤obicetrapibの脂質低下効果─ 無作為化第2相試験
Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01936-7
心血管リスクの高い患者の管理に関するグローバル・ガイドラインには、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)に対して到達がやや難しい目標が含まれている。スタチン療法単独では目標達成に不十分であることが多いが、スタチン以外の選択肢は限られている。今回我々は、高強度スタチン治療を受けている脂質異常症患者(n = 120、LDL-C中央値は88 mg dl−1)での無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害薬であるobicetrapibの脂質低下効果を調べた(NCT04753606)。8週間にわたって5 mgまたは10 mgのobicetrapib投与を行った結果、主要評価項目であるLDL-C濃度の中央値が、プラセボと比較すると有意に低下した(最大で51%、P < 0.0001)。また、obicetrapib投与では、プラセボと比較するとアポリポタンパク質Bと非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)の濃度が有意(P < 0.0001)に低下し、アポリポタンパク質Bでは最大で30%、非HDL-Cの濃度は最大で44%の低下が見られた。一方、副次評価項目であるHDL-C濃度は有意(P < 0.0001)に上昇し(最大で165%)、許容可能な安全性プロファイルが得られた。これらの結果は、obicetrapibが心血管リスクの高い患者での満たされていない医学的必要性に対処できる可能性を裏付けている。