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副腎疾患:外科的に治癒可能な原発性アルドステロン症の診断に対する[11C]メトミダートPET-CTと副腎静脈サンプリングの比較 ─ 患者集団内前向き試験

Nature Medicine 29, 1 doi: 10.1038/s41591-022-02114-5

片側性アルドステロン産生腺腫に起因する原発性アルドステロン症(PA)は、高血圧のよく見られる原因である。これは副腎の手術によって、治癒あるいは大幅に改善することが可能である。しかし、治癒の機会が提供されるのはPA患者の1%未満であり、その一因は標準的な術前検査の侵襲性が高いことである。143名のPA患者が参加した我々の前向き研究(NCT02945904)の主要評価項目は、非侵襲的検査である[11C]メトミダート陽電子放出断層撮影-コンピューター断層撮影法(MTO)スキャンの精度と、副腎静脈サンプリング(AVS)をPAの生化学的寛解と手術後の高血圧解消の予測に使用した場合との比較であった。合計で128名の患者が主要評価項目を満たして6〜9カ月の追跡試験に至り、そのうちの78名(61%)で外科治療が行われ、50名(39%)が医学的管理を受けた。外科手術を受けた78名の患者のうち77名が、1つ以上のPA外科的転帰の成功基準を満たした。副腎摘出後の生化学的成功と臨床的成功の予測でのMTOの精度は、それぞれ72.7%と65.4%だった。一方、AVSの精度は63.6%と61.5%だった。MTOに有意な優越性は見られなかったものの、9.1%(95%信頼区間 = −6.5–24.1%)と3.8%(95%信頼区間 = −11.9–9.4)の違いは、事前指定した非劣性マージンの−17%の範囲内だった(P = 0.00055およびP = 0.0077)。24件の重篤な有害事象のうち、どちらかの検査に関連すると考えられるものはなく、22件は完全に解消された。従って、片側性PAはMTOを使って非侵襲的に診断することが可能である。

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