肥満:過体重または肥満の成人に対する生活習慣への強化介入後のチルゼパチド ― SURMOUNT-3第3相試験
Nature Medicine 29, 11 doi: 10.1038/s41591-023-02597-w
チルゼパチドは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド受容体とグルカゴン様ペプチド1受容体のデュアルアゴニストであるが、生活習慣への強化介入成功後の体重減少に及ぼす効果は不明である。この二重盲検プラセボ対照試験では、ボディーマス指数が30 kg/m2以上、または27 kg/m2以上で、少なくとも1つの肥満関連合併症(糖尿病を除く)を有し、生活習慣への12週間の強化介入後に5.0%以上の減量を達成した成人(n = 579)を、チルゼパチド最大耐用量群(10 mgまたは15 mg)あるいはプラセボ群に無作為(1:1)に割り付け、週1回投与を72週間行った。治療レジメンの評価では、治療企図(ITT:intention-to-treat)集団における治療アドヒアランスの有無を問わず、効果を評価した。共主要評価項目のうちの1つは、無作為化時と比べた72週の時点での体重のさらなるパーセント変化の平均値であり、チルゼパチド群で−18.4%(標準誤差〔s.e.〕0.7)、プラセボ群で2.5%(s.e. 1.0)で、この評価項目は達成された(推定される治療群間の差は−20.8パーセントポイント〔95%信頼区間[CI]−23.2%、−18.5%、P < 0.001〕)。共主要評価項目のもう一方は、さらに5%以上の減量を達成した参加者の割合であり、この閾値を達成したのは、チルゼパチド群で87.5%(s.e. 2.2)、プラセボ群で16.5%(s.e. 3.0)であり、この評価項目は達成された(オッズ比 34.6%、95%CI 19.2%、62.6%、P < 0.001)。チルゼパチドによる最も一般的な有害事象は消化器症状であり、そのほとんどは重症度が軽度から中等度であった。チルゼパセドは、生活習慣への強化介入により5.0%以上の減量を達成していた被験者に対して、さらなる大幅な体重減少を引き起こした。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04657016。