COVID-19:資源の乏しい農村部におけるCOVID-19ワクチンのための金銭的インセンティブ ─ クラスター無作為化試験
Nature Medicine 29, 12 doi: 10.1038/s41591-023-02670-4
我々は、ガーナの6つの農村地域で6963人の住民のクラスター無作為化対照試験を行い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種を受けることに対する金銭的インセンティブの因果的影響を評価した。各村は4種類の映像介入(プラセボ、健康に関する標準的メッセージ、高額の現金インセンティブ〔60ガーナセディ〕、低額の現金インセンティブ〔20ガーナセディ〕)のいずれかに無作為に割り付けられた。1つ目の共主要評価項目はCOVID-19ワクチン接種の意思であり、ワクチン未接種の参加者でその意思を示した人の割合は、プラセボ群では平均71%(2669人中1895人)であるのに対して、現金インセンティブ群では平均81%(2168人中1733人)であった。もう一方の共主要評価項目は、初回介入後2カ月の時点での自己申告されたワクチン接種であり、現金インセンティブ群でのその割合の平均は、プラセボ群におけるそれよりも3.5%高く(95%信頼区間〔CI〕:0.001、6.9。P = 0.045)、40%(1486人中602人)対36.3%(1850人中672人)であった。また我々は、参加者のワクチン接種記録も検証した。現金インセンティブ群では、検証した参加者の36.6%(1058人中355人)は少なくとも1回のCOVID-19ワクチン接種を受けていたのに対して、プラセボ群参加者の接種率は30.3%(1544人中439人)であり、差は6.3%(95%CI:2.4、10.2。P = 0.001)であった。接種意思とワクチン接種の結果に関しては、低額の現金インセンティブ(20ガーナセディ)は、高額の現金インセンティブ(60ガーナセディ)よりも、COVID-19ワクチン接種に対してより大きな正の効果があった。試験識別番号:AEARCTR-0008775。