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mpoxウイルス感染:mpoxウイルス感染による皮膚病変を分類するための深層学習アルゴリズム
Nature Medicine 29, 3 doi: 10.1038/s41591-023-02225-7
サル痘ウイルス(現在はmpoxウイルスあるいはMPXVと呼ばれている)感染の突然のアウトブレイク(集団発生)を促進する重要な要因は、未発見の感染者の存在と感染者の隔離の遅れである。我々は、MPXV感染のより早い検出を可能にするために、MPXVによって引き起こされる特徴的な皮膚病変を特定するための画像ベースの深層たたみ込みニューラルネットワーク(MPXV-CNNと命名)を開発した。8つの皮膚科学リポジトリからの非MPXV画像(n = 13万8522)と、科学論文、ニュース記事、ソーシャルメディア、およびスタンフォード大学医療センターの前向きコホート〔12人の患者(全て男性)のn = 63の画像〕からのMPXV画像(n = 676)から構成される13万9198の皮膚病変画像データセットを作成し、訓練/検証コホートとテストコホートに分けた。MPXV-CNNの感度は検証コホートで0.83、テストコホートで0.91であり、特異度は検証コホートで0.965、テストコホートで0.898であり、また、曲線下面積は検証コホートで0.967、テストコホートで0.966であった。前向きコホートでの感度は0.89であった。MPXV-CNNの分類性能は、皮膚のさまざまな色合いや身体領域に対してロバストであった。このアルゴリズムの使用を促進するために、MPXV-CNNにアクセスできるWebベースの患者向けガイダンスアプリを開発した。MPXV病変を特定するMPXV-CNNの能力は、MPXVの突然のアウトブレイクの緩和に役立つ可能性がある。