Article

ボディーマス指数:マルチオミクスにおけるボディーマス指数の特徴は不均一な健康表現型と生活習慣への介入に対する応答を識別する

Nature Medicine 29, 4 doi: 10.1038/s41591-023-02248-0

マルチオミクスによるプロファイリングは、健康状態と疾患状態のいずれに対しても集団内に存在する不均一性を明らかにすることができる。肥満は多種多様な代謝的撹乱を引き起こし、多数の慢性疾患に対するリスク因子である。本研究では、健康プログラム(Arivale)に登録された1277人のコホートから、ボディーマス指数(BMI)の変動と関連する1111の血中分析物における横断的および縦断的変化の全体像、ならびに宿主多遺伝子リスクスコアや腸内細菌叢組成に対するマルチオミクスの関連について報告する。血液由来マルチオミクスから機械学習モデルで予測したBMIは、BMIよりも正確に宿主の代謝や腸内細菌叢の不均一な表現型状態を捉えた。この結果は外部コホート(TwinsUK)でも確認された。さらに縦断的解析では、健康的な生活習慣を目的とした介入に応じて、予測に用いたオミクスごとに異なるBMIの時間変化が明らかになった。つまり、メタボロミクスによる推定BMIは実際のBMIよりも大幅に減少したが、プロテオミクスによる推定BMIは変化に乏しかった。さらなる解析によって、メタボロミクスによる推定BMIが交互作用し、かつ、代謝性肥満のグループにおいて介入中に一部反転した、血中分析物間の相関関係を同定した。まとめると、我々の知見は、肥満状態の変化と関連する血中分子撹乱の全体像を示しており、予測医学や予防医学において代謝的な健康状態を定量化するための情報資源となる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度