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自閉症:自閉症におけるリピドームと遺伝的および環境的因子との相互作用

Nature Medicine 29, 4 doi: 10.1038/s41591-023-02271-1

自閉症のオミクス研究は、歴史的に還元主義的で診断を中心においており、よく見られる併存症状(例えば、睡眠障害や摂食障害)や、分子プロファイルと神経発達、遺伝的特性、環境要因、健康との間の複雑な相互作用についてはほとんど注意が払われていない。本研究では、オーストラリア自閉症バイオバンクにおける765名の小児(自閉スペクトラム症〔ASD〕と診断された485名)で血漿リピドーム(783脂質種)を調べた。その結果、ASD診断(n = 8)、睡眠障害(n = 20)、認知機能(n = 8)に関連する脂質が見つかり、長鎖多価不飽和脂肪酸がFADS遺伝子クラスターを介した睡眠障害に対する原因である可能性が明らかになった。環境要因と神経発達やリピドームとの相互作用の探索では、睡眠障害と不健康な食餌は、リピドームプロファイルに収束性を示す(おそらくマイクロバイオームが関与している)ことが分かった。またそのプロファイルは、適応機能の低さとも独立に関連していた。一方、ASDリピドームの違いは、食餌の違いや睡眠障害によって説明された。さらに、ASDと診断され、低密度リポタンパク質に関連した広範なリピドーム異常が見られた小児の1人では、染色体19p13.2のLDLR遺伝子および信頼度の高い2つのASD遺伝子(ELAVL3SMARCA4)の位置に、大きなコピー数多型遺伝的欠失が見つかった。リピドミクスによって、神経発達の複雑性や、自閉症の人々の生活の質に影響することの多い症状の生物学的な影響が捉えられた。

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