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COVID-19:母親のBNT162b2 mRNAワクチン3回目接種と乳児のCOVID-19入院リスク
Nature Medicine 29, 5 doi: 10.1038/s41591-023-02270-2
乳児は、年長の子どもと比べて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連した入院リスクが高い。本研究では、妊娠中の母親に推奨されているBNT162b2 COVID-19ワクチンの3回目接種が、乳児のCOVID-19関連入院率に与える影響について調べた。我々は、2021年8月24日から2022年3月15日の間にイスラエルで生まれた全ての生産児について全国レベルのコホート研究を行い、乳児のCOVID-19関連入院に対する3回目ブースター接種の有効性を、2回目接種との比較で評価した。全研究期間のデータを解析し、デルタ株とオミクロン株の時期については別々に解析した。コックス比例ハザード回帰モデルによって、出産時の母親のワクチン接種状況に従って乳児入院のハザード比や95%信頼区間(CI)を推定した。解析に含まれる4万8868人の生産児において、COVID-19入院率は3回目接種では0.4%、2回目接種では0.6%、ワクチン未接種群では0.7%だった。2回目接種との比較で、3回目接種は乳児入院率の減少を伴い、推定有効率は53%(95% CI 36~65%)だった。ワクチン接種と出産との間隔が短いほど、高い防御効果が見られた。妊娠中の母親の3回目接種は、生後4カ月間での乳児のCOVID-19関連入院リスクを低下させ、このことは、乳児のCOVID-19入院を防ぐ上で、母親のブースターワクチン接種に関する医療・公衆衛生ガイドラインを支持している。