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皮膚疾患:結節性痒疹患者におけるデュピルマブ — 2つの無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験

Nature Medicine 29, 5 doi: 10.1038/s41591-023-02320-9

結節性痒疹(PN)は、激しい瘙痒性の結節を伴う慢性炎症性皮膚疾患である。LIBERTY-PN PRIMEおよびPRIME2の第3相試験には、20カ所以上の結節と局所療法で制御されない重度の瘙痒を患っているPNの成人が登録された。完全ヒトモノクローナル抗体であるデュピルマブは、インターロイキン(IL)-4とIL-13に共通の受容体構成要素を阻害する。患者は24週間にわたって、デュピルマブあるいはプラセボを2週間に1回300 mg皮下投与する群へ1:1に無作為化された。主要評価項目は瘙痒の改善であり、24週目(PRIME)あるいは12週目(PRIME2)のベースラインから、かゆみの数値評価尺度であるWI-NRS(Worst Itch Numeric Rating Scale)が4ポイント以上減少した患者の割合で測定した。主な副次評価項目には、24週目に結節数が5以下へ減少していることなどが含まれる。PRIMEとPRIME2にはそれぞれ151人と160人の患者が登録された。両試験は、あらかじめ決められた主要評価項目と主な副次評価項目を全て満たした。PRIMEで24週目にWI-NRSが4ポイント以上減少していた患者は、デュピルマブ群で60.0%、プラセボ群で18.4%であり(差の95%信頼区間〔CI〕27.8~57.7、P < 0.001)、PRIME2の12週目では、それぞれ37.2%と22.0%であった(95% CI 2.3~31.2、P = 0.022)。デュピルマブはプラセボと比較して臨床的な意味を持ち、PNの瘙痒や皮膚病変において統計学的に有意な改善を示した。安全性は既知のデュピルマブの安全性プロファイルと一致していた。ClinicalTrials.gov識別番号: NCT04183335およびNCT04202679。

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