Perspective

環境問題:ネットゼロヘルスケアの実現に向けた公平性のある道筋

Nature Medicine 29, 5 doi: 10.1038/s41591-023-02351-2

過去10年の間に、保健セクターは気候変動により影響を受けるだけでなく、温室効果ガスの主要な排出元でもあることが明らかになってきた。2021年11月、世界保健機関(WHO)とその協力機関は、持続可能で、気候変動に強靭かつ低炭素の保健システムの実現を目的としたCOP26ヘルスプログラムを始動させ、その後、その実施を支援するべく、「気候変動と健康に関する変革的行動のための同盟」(ATACH)を発足させた。健康のための資金調達、炭素排出量、満たされていない健康ニーズは世界中で一様ではないことを考えると、残余炭素収支と健康上の利益が公平に分配されることが重要となる。このPerspectiveでは、ヘルスケア分野での脱炭素化に向けての課題や可能性を検討し、国内および国家間の、健康格差や社会経済的不平等に配慮した、ネットゼロヘルスケアにつながる公平性のある道筋の原則を概説する。

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