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がん免疫療法:肝細胞がんにおける樹状細胞とCD4+ヘルパーT細胞による腫瘍内のニッチはPD-1阻害後にCD8+ T細胞分化を可能にする
Nature Medicine 29, 6 doi: 10.1038/s41591-023-02345-0
T細胞のプライミングや腫瘍への誘導に明らかな異常が見られないにもかかわらず、T細胞が豊富な腫瘍の大部分は免疫チェックポイント阻害(ICB)に応答しない。我々は、肝細胞がん(HCC)患者でのネオアジュバント抗PD-1試験に加え、適応外治療を受けた患者から収集した追加試料も用いて、T細胞が豊富な腫瘍内でのICBに対する応答の相関因子を調べた。ICB応答は、腫瘍内のCXCL13+CH25H+IL-21+PD-1+CD4+ヘルパーT細胞(「CXCL13+ TH」)およびグランザイムK+ PD-1+エフェクター様CD8+ T細胞のクローン増殖と相関するが、一方で、非応答者では完全疲弊CD39hiTOXhiPD-1hiCD8+ T細胞が優勢であることが明らかになった。治療後に増殖したCD4+およびCD8+ T細胞のクローンは、治療前の生検で見つかっていた。特にPD-1+TCF-1+(疲弊前駆細胞型)CD8+ T細胞は、主に応答者でのエフェクター様細胞あるいは非応答者での完全疲弊細胞とクローンが共通しており、これは、ICBに際して局所的なCD8+ T細胞分化が起こることを示唆している。我々は、これらの疲弊前駆細胞型CD8+ T細胞とCXCL13+ TH細胞が、調節性分子に富む成熟樹状細胞(「mregDC」)の周囲で、3つ組の細胞として相互作用することを見いだした。これらの結果は、mregDCやCXCL13+ TH細胞を含む個別の腫瘍内ニッチが、ICB後に腫瘍特異的な疲弊前駆細胞型CD8+ T細胞の分化を制御することを示唆している。