リンパ腫/がん免疫療法:再発性/難治性リンパ腫におけるCD19 CAR T細胞療法とアナキンラの予防的投与 — 第2相試験中間結果
Nature Medicine 29, 7 doi: 10.1038/s41591-023-02404-6
前臨床モデルでは、IL-1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra)であるアナキンラは、抗CD19キメラ抗原受容体(CAR) T細胞の効果を減弱することなく、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)を抑制した。我々は、市販の抗CD19 CAR T細胞療法による治療を受けた再発性/難治性大細胞型B細胞リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の患者において、アナキンラの第2相臨床試験を開始した。本論文では、患者がCAR T細胞注入後の2日目から遅くとも10日目までにアナキンラの皮下投与を受けたコホート1の最終結果について、事前指定していない中間解析の結果を報告する。主要評価項目は重症(グレード3以上)のICANSの割合であった。主な副次評価項目は、全グレードのサイトカイン放出症候群(CRS)とICANSの割合、および両疾患の奏効とした。治療を受けた患者31人のうち、74%はアキシカブタゲン・シロルユーセル、13%はブレクスカブタゲン・オートロイセル、そして4%はチサゲンレクルユーセルの投与を受けた。いずれかのグレードのICANSを発症した患者は19%であり、重症グレードの患者は9.7%だった。ただし、グレード4とグレード5のICANSは見られなかった。いずれかのグレードのCRSは74%の患者で見られ、重篤なCRSの患者は6.4%だった。両疾患の奏効率は77%で、完全奏効率は65%であった。これらの初期の結果から、アナキンラの予防的投与は、抗CD19 CAR T細胞療法を受けたリンパ腫患者でICANS発生率を低下させることが示され、免疫関連神経毒性症候群でのアナキンラのさらなる研究を進めることが支持された。