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自閉症:自閉症に関連する遺伝的バリアントの表現型への影響
Nature Medicine 29, 7 doi: 10.1038/s41591-023-02408-2
100以上の遺伝子が自閉症と関連付けられているが、それらの遺伝子に影響を与えるバリアントが自閉症と診断されていない人にどれだけ保有されているかについてはほとんど解明されていない。また、自閉症の正式な診断基準の範囲を超える表現型の多様性についてもあまり分かっていない。本研究では、自閉症患者1万3000人以上と、自閉症と診断されていない人21万人以上のデータに基づいて、まれな機能喪失(LoF)バリアントを伴う自閉症のオッズ比を、185の自閉症関連遺伝子とLoFバリアントに不耐性を示す2492の遺伝子において推定した。我々は、自閉症を中心とする手法とは別に、自閉症と診断されていない人で、これらのバリアントとの相関関係を調べた。その結果、当該バリアントが流動性知性、資格レベルと収入の低下、および物質的剥奪指標の増加と、弱いながらも有意に関連していることが明らかになった。これらの影響は、他のLoF不耐性遺伝子よりも自閉症関連遺伝子で大きかった。英国バイオバンクの2万1040人の脳画像化データを使用した解析では、LoF保有者と非保有者との間で、脳全体の解剖学的構造に有意な違いを検出できなかった。我々の結果は、カテゴリー診断だけではなく、遺伝的バリアントの影響も研究することの重要性と、これらのバリアントの保有者を最大限支援するために、当該バリアントと社会人口統計学的要因の関連性を理解するためのさらなる研究の必要性を明確に示している。