Article

摂食障害:神経性無食欲症の女性のためのシロシビン治療:第1相非盲検フィージビリティ試験

Nature Medicine 29, 8 doi: 10.1038/s41591-023-02455-9

神経性無食欲症(AN)は、中核症状を改善するための認められた治療法はなく、米国食品医薬品局に承認された薬もない、死に至る病気である。臨床転帰を改善するために新たな治療法が喫緊に必要とされている。今回の非盲検フィージビリティ試験の参加者は、『精神疾患の診断と統計マニュアル第5版』(DSM-5)のANあるいはpAN(部分寛解)に関する基準を満たした10人の成人女性(平均ボディマス指数 19.7 kg m−2、s.d. 3.7)が、学術的臨床研究機関で実施された試験に採用された。参加者は、心理学的サポートと組み合わせて、合成シロシビン25 mgの単回投与を受けた。主要目的は、有害事象(AE)の発生と発生率や、心電図(ECG)、臨床検査、バイタルサイン、自殺傾向における臨床的に有意な変化の発生と発生率に基づいて、治療後の安全性、忍容性、実現可能性を評価することであった。ECG、バイタルサイン、自殺傾向において、臨床的に有意な変化は観察されなかった。2人の参加者が治療後に無症候性低血糖を発症したが、24時間以内に消失した。その他の臨床的に有意な変化は臨床検査値に観察されなかった。全てのAEは本質的に軽症で一過性であった。参加者の治療に対する定性的な認識によると、本治療は大部分の参加者に許容可能であることが示唆された。これらの結果は、シロシビン治療が、ANの女性に、安全で、忍容性があり、許容可能であることを示しており、これは生理的危険性や治療への取り組みの問題を考慮すると、有望な知見である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度