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COVID-19:深層学習が可能にするSARS-CoV-2の感染性および変異株進化の予測に関するタンパク質間相互作用解析
Nature Medicine 29, 8 doi: 10.1038/s41591-023-02483-5
宿主–病原体間相互作用や病原体の進化は、ウイルスタンパク質と宿主タンパク質間のタンパク質–タンパク質相互作用が基盤となっている。ウイルス変異株がタンパク質間結合にどのように影響を及ぼすかを理解することは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の新たな病原性変異株の出現など、ウイルスと宿主の間の相互作用を予測するのに重要である。今回我々は、タンパク質をアミノ酸残基レベルや原子レベルのグラフとして表現する人工知能ベースの枠組み(UniBindと命名)を提案する。UniBindはタンパク質の三次元構造と結合親和性を統合し、不均一な生物学的データ統合のためのマルチタスク学習が可能である。ベンチマークデータセットの体系的な試験やさらなる実験的な検証において、UniBindは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質変異が、ヒトACE2受容体やSARS-CoV-2中和モノクローナル抗体に対する結合親和性に及ぼす影響を効果的かつスケーラブルに予測した。さらに種間での解析では、UniBindはSARS-CoV-2変異株に対する宿主感受性の予測や、将来的なウイルス変異株進化傾向の予測に応用することが可能であった。このin silico手法は、問題となる新興SARS-CoV-2変異株の早期警告システムとして利用できるだけでなく、一般的なタンパク質間相互作用の研究に役立つ可能性を有している。