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ナイジェリアの新しい法律はアフリカの精神医療に光を投げ掛ける

Nature Medicine 29, 9 doi: 10.1038/s41591-023-02536-9

アフリカはメンタルヘルスケアに関する法律が少ない上に、医療システムが脆弱で資金に乏しく、労働力やデータの不足など、難問が山積みである。2023年の初めに制定されたナイジェリアの新法は、精神衛生向上を促進し、人道的なケア、治療、リハビリテーションを促進するというものだ。かつて同国では、自殺未遂は犯罪とされていたが、実際には大多数の自殺者が精神的問題を抱えていて治療を必要としていたと専門家は述べている。アフリカは若年人口が世界で最も多く、若者のアルコール摂取がこの地域の精神的・身体的健康に関わっており、若年層に注目することで最も大きな改善が見込まれる。また、メンタルヘルスと取り組む標準的な方法の多くはアフリカの現状に適していない。長期的にはアフリカを含む世界各国の例を考慮した新しい方法を開発すべきであり、短期的には、既存のテスト法を実情に適応させることが目標となるだろう。メンタルヘルス関連労働力への投資、伝統的な癒しの実践や遠隔医療の活用、精神医学専門の医療従事者の育成も有効だ。メンタルヘルスケアは持続可能なものであるべきで、保健システムに組み込まれる必要がある。

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