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子宮内膜症に関する研究の急増によって女性の健康は新時代を迎えるかもしれない

Nature Medicine 30, 2 doi: 10.1038/s41591-024-02795-0

子宮内膜症と診断されるまでには平均7~10年を要し、手術や画像診断で診断が確定しても、疼痛に対する持続的治療法はほとんど存在しない。ホルモン治療は更年期障害のような副作用が伴うことがあり、骨盤腔全体に増殖する病変の外科的除去は時に痛みを悪化させることさえある。しかし今、子宮内膜症患者の長年にわたる活動により、子宮内膜症が徐々にクローズアップされつつある。この1年で、最大規模の遺伝学的研究と、さまざまな一細胞塩基配列解読研究が発表され、病気のサブタイプも明らかになりつつある。細菌や食事との関連の解明や、月経液や生検組織からオルガノイドを増殖させる方法の改良も進んでいる。さらに、史上初の唾液による子宮内膜症診断検査についての中間データも発表された。子宮内膜自体に関する新たな発見がもたらされる可能性もある。例えば、子宮内膜の瘢痕化することなく速やかに自己修復する能力を利用すれば、慢性的な傷の治癒や再生医療に役立つ可能性があり、性別に関係なく全ての人に利益がもたらされる成果となるだろう。

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