がん免疫療法:CD19+ B細胞腫瘍における同種CD19特異的CAR-NK細胞の安全性、有効性、および反応決定因子 ─ 第1/2相試験
Nature Medicine 30, 3 doi: 10.1038/s41591-023-02785-8
安全かつ有効で、安価な同種キメラ抗原受容体(CAR)-免疫細胞療法が、喫緊に必要とされている。本研究では、CD19+ B細胞悪性腫瘍患者37人において、抗CD19キメラ抗原受容体とインターロイキン15(CAR19/IL-15)を発現する臍帯血由来ナチュラルキラー(NK)細胞の第1/2相試験を行った。主要評価項目は、安全性および30日目の全奏効(OR)として定義された有効性である。副次評価項目には、100日目の奏効と無増悪生存期間、全生存率、CAR19/IL-15 NK細胞の持続性を含めた。サイトカイン放出症候群や神経毒性、あるいは移植片対宿主病のような顕著な毒性は観察されなかった。30日目と100日目のOR率は、どちらも48.6%であった。1年目の全生存率と無増悪生存率は、それぞれ68%と32%であった。ORを達成した患者では、CAR-NK細胞はより高レベルであり、より長く持続した。有核赤血球が8 × 107以下、かつ採取から凍結保存までの時間が24時間以内の臍帯血ユニット(CBU)に由来するCAR-NK細胞の投与は、より優れた転帰に対する最も有意な予測因子であった。これらの最適なCBU由来のNK細胞は、機能性が高く、エフェクター関連遺伝子を多く発現している。対照的に、最適ではないCBU由来のNK細胞では、炎症や低酸素、細胞ストレスプログラムが亢進していた。最後に、複数のマウスモデルを用いて、最適なCBUに由来するCAR/IL-15 NK細胞の優れた抗腫瘍活性をin vivoで確認した。これらの結果は、CAR-NK細胞の新たな生物学的特徴を明らかにし、同種細胞療法にはドナー選択が重要であることを示している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03056339。