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大腸がん:MSS/pMMR大腸がんに対する抗PD-1抗体、HDAC阻害剤、抗VEGF抗体の併用 ─ 無作為化第2相試験

Nature Medicine 30, 4 doi: 10.1038/s41591-024-02813-1

ヒストンアセチル化などのクロマチンのエピジェネティック修飾と腫瘍血管新生は、免疫抑制性の腫瘍微小環境を作り出す上で重要な役割を担っている。我々は、無作為化第2相CAPability-01試験において、切除不能で化学療法抵抗性の局所進行性、あるいは転移性でマイクロサテライト安定性/ミスマッチ修復機能正常(MSS/pMMR)の大腸がん患者において、抗PD-1(programmed cell death protein-1)モノクローナル抗体シンチリマブとヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDACi)チダミドの併用に、抗血管内皮増殖因子(VEGF)モノクローナル抗体ベバシズマブを加えた場合と加えない場合の有効性の可能性について調べた。48人の患者が、2剤投与群(シンチリマブとチダミド、n = 23)または3剤投与群(シンチリマブとチダミドとベバシズマブ、n = 25)のいずれかに無作為に割り付けられた。主要評価項目である18週目での無増悪生存(PFS)率(18wPFS率)は達成され、研究対象集団全体での割合は43.8%(48人中21人)であった。副次評価項目の結果としては、PFS中央値が3.7カ月、全奏効率が29.2%(48人中14人)、疾患制御率が56.3%(48人中27人)、奏効期間の中央値が12.0カ月であった。副次評価項目である全生存期間の中央値は解析時において未到達だった。3剤投与群では、2剤投与群と比較して転帰が有意に改善され、18wPFS率の上昇(64.0%対21.7%、P = 0.003)、全奏効率の上昇(44.0%対13.0%、P = 0.027)、PFS率中央値の延長(7.3カ月対1.5カ月、P = 0.006)が見られた。3剤投与群と2剤投与群の両方で治療時に生じた有害事象のうち、最も多く見られたものは、タンパク尿、血小板減少、好中球減少、貧血、白血球減少、下痢であった。2件の治療関連死(肝不全と肺炎)があった。患者由来のバルクRNA塩基配列解読データの解析では、3剤併用がCD8+ T細胞浸潤を増強し、その結果、免疫学的に活性のより高い腫瘍微小環境を生じることが示唆された。我々の研究は、PD-1抗体、HDACi、VEGF抗体の併用は、MSS/pMMR進行性大腸がん患者に対する有望な治療レジメンとなり得ることを示唆している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04724239。

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