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慢性疼痛:59万8339人の退役軍人における痛みの強度についての複数祖先系遺伝学的研究

Nature Medicine 30, 4 doi: 10.1038/s41591-024-02839-5

慢性疼痛は一般的な問題であり、米国人成人の5分の1以上が毎日、あるいはほとんどの日に痛みを報告している。痛みは生活の質に悪影響を及ぼし、個人的にも経済的にも大きな負担となる。オピオイドを用いた慢性疼痛治療の試みは、オピオイド危機の促進に中心的な役割を果たした。慢性疼痛の遺伝的構造は、遺伝率が25~50%と推定されているものの、その性質は十分に明らかになっていない。この理由の一部に、主にヨーロッパ系の被験者に研究が限定されていることが挙げられる。本研究では、不足している情報を埋めるために、米国の退役軍人100万人プログラムの参加者59万8339人において、痛みの強度についての祖先系横断的メタ解析を行った。その結果、125の独立した遺伝的座位との関連が見つかり、そのうち66座位は新規であった。痛みの強度は、痛みの他の表現型、物質使用のレベルや物質使用障害、他の精神医学的形質、教育レベル、認知形質と遺伝的相関を示した。ゲノムワイド関連解析の知見と機能ゲノミクスデータの統合により、脳組織(特にGABA作動性ニューロン)に発現する推定原因遺伝子(n = 142)および推定原因タンパク質(n = 14)が豊富であることが明らかになった。薬剤リパーパシング解析により、他の薬剤グループの中では、抗けいれん剤、β遮断薬、カルシウム拮抗薬が、鎮痛効果を持つ可能性が示された。我々の結果は、痛みの経験に関与する主要な分子についての手掛かりを示し、注目すべき薬剤標的を明らかにしている。

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