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2型糖尿病:2型糖尿病の複数祖先系にわたる多遺伝子機構

Nature Medicine 30, 4 doi: 10.1038/s41591-024-02865-3

2型糖尿病(T2D)は、遺伝的リスクの大きい多因子疾患であり、その基盤となる生物学的機構は完全には解明されていない。本研究では、発表されている37のT2Dゲノムワイド関連解析(140万人以上を含む)に含まれるさまざまな集団の遺伝学的データを解析することにより、複数祖先系にまたがるT2D遺伝的クラスターを見いだした。さまざまな遺伝的祖先系集団を代表する2つの独立したバイオバンク(アフリカ系n = 2万1906、混血の米国人n = 1万4410、東アジア系n = 2422、ヨーロッパ系n = 9万93、南アジア系n = 1262)において、650のT2D関連遺伝的バリアントおよび110のT2D関連形質でソフトクラスタリングを行ったところ、心代謝形質との関連が異なっている既知および新規のT2Dクラスターが捉えられた。この12の遺伝的クラスターには特異的な調節領域の濃縮が見られることが、一細胞解析によって明らかになった。これらのクラスターから得られた多遺伝子スコアのいくつかは、祖先系グループ間で分布が異なっており、例えば、東アジア系ではリポジストロフィー関連の多遺伝子リスクの割合がかなり高かった。ボディーマス指数(BMI)が30 kg m−2であるヨーロッパ系亜集団と、BMIが24.2(22.9~25.5)kg m−2である東アジア系亜集団では、T2Dリスクが同等であり、クラスター特異的な遺伝的リスクを補正した後では、東アジア系グループで同等リスクのBMI閾値は28.5(27.1~30.0)kg m−2に上昇した。従って、これらの複数祖先系T2D遺伝的クラスターは、広範囲の生物学的機構を含んでおり、T2Dリスクプロファイルにおける祖先系に関連する差異を説明するための予備的な洞察を提供する。

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