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子宮内感染症:先天性サイトメガロウイルス感染のユニバーサル・スクリーニングを目的としたプール方式唾液検査の実施

Nature Medicine 30, 4 doi: 10.1038/s41591-024-02873-3

先天性サイトメガロウイルス(cCMV)は、子宮内感染が最もよく見られ、神経発達障害の原因となるので、新生児に対するcCMVのユニバーサル・スクリーニングが提唱されるようになってきている。しかし、感染した新生児全てを特定できるハイスループットスクリーニング検査がないため、正確で効率の良い検査戦略を開発することが、依然として現在の課題となっている。本研究では、2022年4月から2023年4月まで、エルサレムの2つの病院でcCMVのユニバーサル・スクリーニングを目的として行った、プール方式での唾液のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査について評価した。13カ月の研究期間に、1万5805人の新生児(全生産新生児の93.6%)にプール方式のcCMVスクリーニングを行った(これ以降、我々の日常のスクリーニング手法になった)。このプール方式の実証的な性能は6(1検査当たりの新生児の検査数)であり、従って唾液検査の83%を減らすことができた。プール方式の検査では、わずか3.05 PCRサイクルの感度低下しか見られず、これは8試料をプールする場合の理論的予測と一致していた。54人の新生児でcCMVが見つかり、出生時の感染率は1000人当たり3.4人だった。cCMVの見つかった新生児の55.6%は出生時に無症候性であり、我々のこれまでの標的スクリーニング手法では特定されなかったと考えられる。この研究は、プール方式の唾液検査が、cCMVのユニバーサル・スクリーニングとして効率的で、コストを抑えた、感度の高い方法であり、広い実行可能性と利点があることを実証している。

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