Editorial

マイクロプラスチックはあらゆるところに存在する

Nature Medicine 30, 4 doi: 10.1038/s41591-024-02968-x

体のさまざまな器官や組織に、ミクロサイズ、ナノサイズの小さなプラスチック粒子(MNP)が蓄積している。MNPは、化粧品などに使用されるマイクロビーズのようなものから、プラスチック製品の劣化の結果として生ずるものまで、さまざまな形で、海洋、空気、食物など、地球上のあらゆる場所に存在し、摂取や吸入などによって人体に入る。その生物学的影響については、主に齧歯類やヒトの細胞で数十年にわたって研究されており、齧歯類では、生殖系や神経系だけでなく、腸、肺、肝臓などのさまざまな臓器に悪影響を与えることが示されている。ヒトの健康に及ぼす影響に関しては、まだ研究が始まったばかりだが、心血管疾患や炎症性腸疾患などとの関連が示唆されている。プラスチックの世界的な影響を軽減し、人々と地球の健康を改善するために必要な政策の開発と施行を促進するには、MNPがどのように体内に蓄積し、ヒトの健康に悪影響を与えるかについて、より詳細かつ決定的な証拠を得ることが急務である。

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