Press Release 感染が心臓への免疫攻撃を誘発する 2003年12月1日 Nature Medicine 9, 12 doi: 10.1038/nm960 感染は心臓の炎症や心不全につながることがあるが、その分子機構が今回明らかにされた。拡張型心筋症は、若年者の心不全の原因としては最も多く、免疫系が自分の心臓のタンパク質を標的とするために起こることがある。Nature Medicine 12月号でJ M Penninger たちは、この自己免疫反応と感染との関係をマウスで解明した。ウイルスや細菌によるある種の感染では、免疫細胞の1 種である樹状細胞が2 通りの方法で刺激される。ウイルスや細菌が心臓の細胞に損傷を与えて少量のタンパク質が放出されると、これが樹状細胞の標的となる。またウイルスや細菌の成分も、Toll 様受容体やCD40 のような他の免疫分子を刺激して樹状細胞を活性化させる。すると樹状細胞は、免疫系にシグナルを送って心臓の細胞を攻撃させ、これが炎症や心不全につながる。この実験系は自己免疫疾患や心不全の治療法を探り出すのに使える可能性があるとPenninger たちは述べている。 Full text PDF 目次へ戻る