Review Article

痛みの緩和を目的とした内因性オピオイド/カンナビノイドの分解の阻害

Nature Reviews Drug Discovery 11, 4 doi: 10.1038/nrd3673

慢性疼痛の治療法はまだ不十分であり、過去1世紀の間、新規鎮痛剤はほとんど上市に至っていない。さまざまな炎症性・神経因性疼痛モデルにおいて、主要な内因性オピオイドであるエンケファリン濃度は、エンケファリンを分解する2種類のエクトペプチダーゼ(ネプリライシンとアミノペプチダーゼN)の阻害により上昇し、鎮痛効果が得られることが確認されている。また、内因性カンナビノイドの分解を阻害する脂肪酸アミノヒドラーゼ(FAAH)阻害剤も、疼痛モデルにおける鎮痛効果が確認されており、これは薬理学的に同じ概念に由来する。先に述べたエンケファリンを分解する2種類のエクトペプチダーゼの阻害剤およびFAAH阻害剤は、現在、臨床試験の初期段階にある。本稿では、この2つのクラスの有用な新規鎮痛剤についてその効果を比較し、合理的な薬理学的設計についての進展を述べる。さらに、臨床開発上の課題と併用療法の可能性についても考察する。

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