Review Article

抗肥満薬開発の限界:空腹を促進するニューロンの重要な役割

Nature Reviews Drug Discovery 11, 9 doi: 10.1038/nrd3739

最近の抗肥満薬は、食欲、あるいは食物に対する渇望を抑えることで、食物摂取量を減少させることに焦点を当てている。しかしながら、このような薬剤の多くは精神神経系や心血管系の副作用をきたすことがあるため、異なる治療戦略が必要とされている。末梢組織のアウトプットや高次脳機能を調節することによって中枢神経系を環境の変化に順応させる、という視床下部の役割が明らかにされつつあるため、より有効で良好なベネフィット・リスク特性を備えた薬剤の発見が促されるかもしれない。カロリー制限や運動による有益な効果を介す分子伝達経路を標的とすることで、肥満のような慢性代謝性疾患の治療に向けた新しい治療法が見つかると考えられる。

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